仏壇の普及は江戸時代?

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仏壇が普及したのは江戸時代からだと言われています。

その理由には時代の大事件が背景にありました。

それは、江戸幕府が全ての庶民に対してキリシタンの信仰を禁止したことでした。

江戸幕府は全ての庶民に対して自分がキリシタンではないことを証明するように求めました。

それはつまりはお寺の檀家になるということでした。

その為に幕府は、寺請証文というものを寺に発行させました。

これは檀家名簿の様なもので当時の住民票のようなものでした。

この住民票はキリシタンではないという証明にも使用されました。

もしこの名簿に名前が記入されていなければ、それはキリシタンであるということになり、厳しく罰せられる危険がありました。

また檀家になると仏壇を持つことが命じられていたので、結局は日本人全員が仏壇を持つことになったのです。

このように日本に仏壇をもつ習慣が根付いていきました。

日本人に定着した仏壇でしたが、日本人は日本古来の先祖崇拝の信仰を捨てることはできませんでした。

そして本来の仏教思想に加えて、土着の先祖崇拝は信奉され、両者は混ざり合い日本独特の宗教観が定着していきました。

仏壇はこの様な流れの中で、日本人にとっては無くてはならない先祖供養の〝場〟となったのです。

現在でも日本の仏教は先祖崇拝を重視しますが、その影響で本来の仏教では本尊以外に置くことのない先祖の位牌を仏様と一緒に安置するようになりました。

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