死後費用

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人は亡くなった後まで、お金がかかります。

そう言ってしまうと身もふたもありませんが、人は社会の中で生きています。

生きている時はもちろん、亡くなった後も社会人として成さなければならない事がたくさんあります。

亡くなったといって庭に穴を掘って埋めてしまうわけにはいきません。

こんなことをしてしまえば立派な犯罪となり、たちまち御用となってしまいます。

私たちは、亡くなった後も、たくさんの手続きや諸々の儀式を行わなければなりません。

それが死亡手続きであったり、お葬式であったり、お墓の問題であったりするわけです。

そして、それらは全て「費用=お金」が絡みます。

しいて言うなら「死後費用」とでも云えるでしょうか。

日本では古来から人が亡くなるとお葬式を行ってきました。

武士や貴族ではもちろんのこと、農民にいたるまでお葬式を行わない社会は日本にはありませんでした。

ずっとお葬式を行い続けてきた日本人。

社会的にもきちんと葬られてはじめて人は亡くなることができるのです。

近年、この伝統的なお葬式も縮小化傾向にあります。

最近行われた葬儀費用に関係する全国アンケートでは、葬儀費用が40万円以上も下落していることがわかりました。

これには、昨今の経済状況の影響もあるでしょうが、最も影響していると考えられるのは人々の価値観の変化によるもののように思えます。

また、葬儀関係の別のアンケート結果を見てみると、その答えが少しわかるような気がします。

人並み以上の葬儀を行ってほしいと家族に希望している人が1割ほどなのに対し、実に7割以上の人が親しい人とこじんまり行ってほしいと答えました。

そして、かなりの多くの方が今まで行われてきたような葬儀を行ってほしくないと答えています。

では、そのように答えた人はどんな葬儀を希望しているかというと、規模に囚われないコンパクトで心のこもった「家族葬」なのです。

いまや「家族葬」は葬儀様式のスタンダードとなりました。

そして、それは人々の埋葬意識(お墓・墓地購入など)にも確実に表されてきています。