様々な埋葬法
火葬後、埋葬許可証が発行されます。
この埋葬許可証が発行されれば、墓地に遺骨を埋葬することができますが、必ずしも埋葬=墓地へ納骨、しなければならない訳ではありません。
火葬後、○○日以内に埋葬しなければいけない、という法律はありませんので、いつまでも自分の手元に置いておく事も可能なのです。
そのため、埋葬についてはゆっくりと時間をかけて考えることも出来ます。
もちろん埋葬にも費用は掛かります。
したがって、霊園墓地や寺院墓地へ埋葬・納骨するのか、散骨にするのか、など埋葬について、予め考えておくのも良いかもしれません。
もちろん、家族とも埋葬について話し合い、伝えておく機会を持っておけば、死後においても個人の意思を尊重することも可能です。
仮に、はるか遠方の霊園などに埋葬してしまった場合、遠すぎて数年に1回程度しかお墓参りに行けないのでは、故人もかわいそうですし、お墓参りのたびに他の家族や親族に大変な労力が掛かり、負担となってしまいます。
そのようなことにならぬよう、生前にゆっくりと納得のいく埋葬を考えておくようにしましょう。
現代の埋葬は、墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)によって定められ、これを補足する目的で各自治体が条例として定めており、当該条例では地域事情に応じて埋葬方法に制限を設けています。
そして、現代における日本国内での最も一般的な埋葬形態である「火葬」による埋葬は、以下のような流れです。
■火葬による埋葬
1.ご遺体を焼く(火葬)
2.遺骨を骨壷へ収容(収骨)
3.骨壷毎または遺骨を墓地へ納める(納骨)
このほか、墓地などへ納骨しない埋葬方法として以下のような「散骨」があります。
■海洋葬 → 火葬後の遺骨を細かく粉砕した後、海に撒く。
■樹木葬 → 火葬後の遺骨を土中に埋めた後、墓標として樹木を植える。
■空中葬 → 火葬後の遺骨を細かく粉砕した後、太平洋上の空中から撒く。
■宇宙葬 → 火葬後の遺骨をカプセルなどに詰め、ロケットに搭載し宇宙へ打ち上げる。
わが国では火葬が一般的ですが、このような「散骨」も近年、人気が出てきているようです。
また、以下の埋葬方法は地方によって「自然葬」として過去、実際に執り行われていた埋葬方法です。
■土葬 → ご遺体を棺桶などに収容し土中に埋める。
■風葬 → ご遺体を野外にさらし、自然に風化させる。
■鳥葬 → ご遺体を野外にさらし、鳥についばんでもらう。
■水葬 → ご遺体を白布などに包み、川、湖、海などに流す。
現在では法律に抵触する部分もあり、自治体条例によって厳しく制限されている場合が多く、既に採用されていません。
昨今、映画やTVドラマ、小説などで「自分が死んだら、空から遺骨をまいて欲しい」とか「海にまいてくれ」、「○○山のふもとへ埋めて欲しい」などという台詞を耳目にすることがあります。
これも立派な埋葬です。
生前予約をしている人には、ご自分の埋葬方法についても取り決めておられる方々が多いようです。
また、生前予約などをしていなくても、自分の死後、遺骨をどのようにして欲しい、ということぐらいは家族に伝えておくのも良いかもしれません。