2016年お会式、はじまる
お会式は、10月13日ですが、その御逮夜にあたる12日の夜からお会式は始まります。
この夜、全国各地から100を越える万灯講中が結集し、池上地区周辺の公道から本門寺参道、そして本門寺境内までを練り歩くのです。
これが万灯行列です。
万灯行列というのは、纏(まとい)、団扇太鼓、鉦、笛、万灯で構成され、万灯構の人々が参詣のために練り歩く事を言います。
それぞれの講中人たちが奏でる笛と太鼓による独特のお囃子をバックに、豪快に纏を振り、きらびやかな万灯の灯り、池上の町は夜中まで厳かな華やかさで彩られます。
そして、東急池上駅から参道脇の至るところに、これまた全国から何百軒という露天商の夜店が結集し、一同に列をなし、かなりの賑わいとなります。
関東一円の多くの神社仏閣の祀り事で、たった一夜で、ここまでの数の夜店をあつめている祭事は、池上本門寺のお会式をおいて他にないのではないでしょうか。
一つの万灯構がお寺でお経やお題目をあげていても、たくさんの構が全国にはありますから、順番待ちの長い行列が参道だけでなく、町にも溢れるのです。
そのにぎやかさは、文字だけでも伝わるかと思います。
万灯は、通常の万灯とは違い、なかり独特のものです。
五重の塔を模したものや中に人形を入れたもの、ひとつの物語になっている行列形のもの、たくさんの提灯で形成されたものなどなど、見る方も思わず、感嘆の声をあげてしまうことでしょう。
これらの中には、電球が入っており、その道々を照らし続けるます。
因みにこの電球、昨今はLED球に取り変わってきているようで、時代を感じます。
それは、まるで、夜の中に浮かび上がる極楽浄土の世界のような不思議さがあります。
そこにあるのは、人々の祈り、願い、仏様を敬う心が一つになった思いです。
また、仏様も、それをおおらかなお気持ちで受け止めてくださるという優しい空間です。
池上本門寺 花峰は、かつて『とみた花や』という屋号で商売をさせていただいておりました。
近傍の皆様の記憶の中では、その名前のほうが『ああ、あの店か』としっくりいかれる方も多いかと思います。
現在は、その当店の隣に、軽飲食が可能な『茶屋』がございますので、そこに座られて、じっくり万灯行列を見る事もできます。
午前1時過ぎまでの長い時間、座って万灯行列を見る時間もあってもよいかと思います。
もちろん、行列と一緒に歩いて見る事もすばらしい一夜になるかと思います。
お逮夜は、仏様の命日を待ちわびている気持ちを現す大切な夜です。
法事などのお逮夜が静かなものだとしたら、万灯行列はよろこびを表にあらわすものです。
どうぞ皆様お誘い合わせの上、お逮夜、万灯行列の見物にお出でください。
その際、周辺はかなりの人出により大変な混雑となりますので、くれぐれもお足元にご注意いただきながら、お楽しみいただればと思います。
なお、お会式の前日から当日は池上地区一帯には交通規制がしかれておりますので、公共交通機関でお出でになる事をお願い申し上げます。