おてらおやつクラブ
いよいよ明日5月1日0時から新元号、令和時代の幕開けです。
GW中の日本全国各地で令和へのカウントダウンイベントが様々な趣向で盛んに行われているようです。
都内某所では、当局による異例の警戒態勢がしかれるなど大変な盛り上がりようです。
そんな令和イブの日本ですが、本サイトではいつも通りつれづれを記して参りたいと思います。
さて最近になって、「おてらおやつクラブ」というNPO団体の活動を知りまして、こちらで少しご紹介をさせていただきたいと思います。
こちらの「おてらおやつクラブ」の主な活動は、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どものサポートをする支援団体の協力の下、経済的に困難な状況にあるご家庭に「おすそわけ」を行う素晴らしい活動をされています。
現在の日本国内においては、子どもの7人に1人が貧困の状態にあります。
全国のお寺と支援団体、そして、檀信徒および地域住民が協力して、慈悲の実践活動を通じて貧困問題を解決を目指す活動なのです。
すでに、宗派は問わず1118の寺院と414団体が活動に参加されています。
活動趣旨に賛同する全国のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の団体をつなげ、お菓子や果物、食品や日用品をお届けしているのです。
〇お寺が貧困問題に取り組む理由
2015年4月、生活困窮者自立支援法が施行されました。
行政や民間団体などもこの問題に対してさまざまな施策を展開していますが、充分とはいえない現状。
「おてらおやつクラブ」は、物資の支援にとどまらず、苦しむ人々の状況を想像し、お寺が社会になにができるか?宗教者が檀信徒や地域住民と共に模索しながら行動するNPOです。
全国に7万以上あるといわれるお寺が貧困問題の解決に向けて活動すれば、その解決への一助になると確信します。
お寺へのお供え物を「おすそわけ」するものですから、どのお寺も容易に参加することができます。
無理のない範囲で支援活動をスタートし、活動参加をきっかけに貧困問題に接し、檀信徒らと共にお寺の存在価値や仏教の利他精神などを考えることにつながる機会にもなっています。
〇お寺だからこそできる活動
「お仏飯」という言葉があります。
朝一番にお仏壇や本堂の御本尊様にお供えする炊き立てのご飯を指すこともあれば、仏さまにお供えされるもの全般を指す場合もあります。
僧侶は、このお仏飯を日々「おさがり」として頂戴し、育てていただく存在です。
仏さまの慈悲によって育てられているわけです。
「おてらおやつクラブ」は檀信徒の皆様からお預かりした仏様へのお供え物を「おすそわけ」するわけですから、そこには、仏教を説く慈悲の実践がなされなければなりません。
おやつを受け取った親御さんたちからの共通するメッセージは、「自分たちのことも守ってくれる人がいる」ことへの感謝です。
僧侶は「愚かな私たちを見守ってくれる仏様」の存在のありがたさを日々説いています。
この活動がきっかけとなり、貧困問題が遠く貧しい国々の話ではなく、この豊かすぎると言われる日本国内での話、自分たちの生活する地域の身近なところで起きている問題であると気づき、皆が手を取り合い行動する人々が増えていくことを期待したいと思います。