お墓のお引越し その2
年々増えているお墓の引っ越しですが、いざお墓を引っ越そうとするとたくさんのトラブルに巻き込まれることがあります。
お墓を引っ越すことを、正しくは改葬といい、別のお墓へ遺骨の埋葬地を変更することと前回も書きました。
実は、これがなかなか 一筋縄ではいかないこともあるのです。
改葬の意思決定は、基本的に継承するひとの判断ですることができます。
継承者は、お墓を守らなければならない立場にあると同時に、お墓に対するあらゆる決定権を持っています。
しかし、いざ改葬となると親せき筋から反対されてしまったり、菩提寺からいい顔をされない等々のトラブルが発生してしまうことがあります。
菩提寺からいい顔をされないと聞くと意外な感じがしてしまいますが、菩提寺にとっては先祖代々長い付き合いをしてきたのに、突然墓を移すなんて・・・という感情が芽生えるのは当然かもしれません。
また、菩提寺にとっては貴重な檀家が一軒減ってしまうことでもありますので、喜んでもらえないのは仕方のないことかもしれません。
お寺にとって「檀家が減る」ということは「収益が減る」ということと同意なのです。
中には、「離檀料として○○万円かかります」なんて高額な請求をされる例もあるそうで・・・。
本当であれば、お墓の引っ越しなんて大変なことまでして、墓を守りたい!という気持ちをほめていただくのが筋…と思ってしまうところですが、そこは人と人の付き合いのことでもありますし、腹をたてず丸くおさめる様に努力しましょう。
本来、改葬は個人の自由です。
したがって、お寺には何の拘束力もありません。
しかし、無用なトラブルを避けるためには、菩提寺と事前に良く話し合うことが肝要です。
また、今まで御先祖様の御供養をしていただいた感謝の意を込めて、いくばくかの金銭を納めるということも、ひとつの方法かもしれません。