お彼岸にしていけないこと

本日20日より彼岸入りとなりました。

お山では、お彼岸のお中日である9月23日(日)に「檀信徒各家先祖代々之霊位秋季彼岸会追善法要」が行われます。

午後1時より本院で法話、午後2時より本殿で法要となっています。

ご家族で是非お参りください。

さて。

皆様から「いつの時代の話をしているの?」と言われそうですが、お彼岸にしていけないことがあるのをご存知でしょうか。

代表的なものは、結婚の話です。

引っ越しやお宮参り、建前(上棟式)など喜びごとはやめておいた方がいいと昔から言われています。

筆者の地方では、お彼岸に結婚の話をすると、ご先祖様の中に必ずいる「一言居士」が邪魔をする、焼きもちを焼いて順調に進まなくすると言われています。

また別説では、稲刈りの時期が重なってしまうので、稲刈りお彼岸だけでも手一杯なのに、そこに遠方で結婚式をするからと余計に忙しくなるのを避けるためとも。

そして、もっともっと調べていくと、納得の説が出てきました。

お彼岸は、この世とあの世が一直線につながり、正者と死者が自由に行き来できるようになります。

特にお中日、秋分の日は、昼の時間と夜の時間が同じになり、もっとも近くなる日とされています。

「まずは、仏さまに日々の安寧を感謝するのが先」ということです。

結婚式や結納をいきなり急いで9月23日にしなければならないという事情はあるでしょうか。

休日だから、特に今年のように多くの人が三連休になる曜日配列だと、会社を休むことなくスムーズに物事が進むかもしれません。

でも、他の日が歴然と363日(春彼岸のお中日も同じです)もあるのです。

秋分の日(春分の日)は、年に1回しかありません。

その日くらい、仏さまのこと、ご先祖様のことを一生懸命させてもらう日、あるいは、7日間ではだめでしょうか。

仏さまに尽くした後に、秋の実りの中での喜びごとではだめでしょうか。

喜びごと、お祝い事はお彼岸にはダメ」。

こう言われるには、歴史と言う長い時間の中でもっと適切な理由があると思われます。

私などは、言い伝えられることには必ず理由があるのではないかな、と思ったり、すべてを合理的に割り切ることはとても出来ない、などと思ったりします。

人間は勝手な生き物です。

常に自分中心、人間中心に物事を考えがちです。

だからこそ、ダメだと言われている期間、仏に帰依してみては??などと、ふと思いました。



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