お線香を焚く意味
今日はあらためて「お線香」について、記してみたいと思います。
仏様の食べ物は『かすみ』です。
でも、私たちの家には『かすみ』はありません。
ですから、かすみのかわりに、炊きたてのご飯の湯気や、お花の良い香りを届けます。
でも、一瞬で消えてしまうこれらの香りよりも、ずっと長持ちするのが『お線香』の香りです。
新仏は、すぐ仏様のところに行けるわけではなく、四九日の間、閻魔大王の審判を七回受けます。
初七日、二七日、三七日、(四四日はお休み)、五七日、六七日、そして七七である四九日です。
その審判の中を頑張ってもらうために、現世にいる私たちは、お線香を絶やさずに点して、新仏様の応援をするのです。
お線香を焚くということには、こういう言われがあります。
また、昔は火葬がありませんでしたので、お線香が亡くなった人が埋葬されるまでのニオイ消しの代わりになったという説もあります。
けれど、現代である今、朝に仏様にご飯をおあげして、その時にお線香をつけるわけですが、どんなお線香でもいいというわけではありません。
やはり、私たちも生活をしている中で、私たちの気持ちにもいい香りがあるということは、癒しになりますし、良い香りが漂ってるお部屋はリラックスできます。
そのために今は、各家庭にあった色々なお線香があるのです。
例えば我が家では、墨をすった後のニオイが残るようなお線香を使っていますし、春先には百花の先駆けをなす白梅の香りのお線香をあげます。
また夏には、防虫を兼ねて薄荷(はっか)の香りが部屋中を埋め尽くすお線香をお供えします。
うちの仏様は案外食いしん坊さんかもしれません。
池上本門寺 花峰では、いろんな香りがするお線香をご用意しております。
店頭であなたのお宅に合う香りを嗅ぎ分けて、選んでみてくださいね(試供品もご用意しております)。
仏様を守るあなたがいいと思う香りは、必ずや仏様に届きます。
その香りは仏様の大好物になり、滋養になり、それは巡り巡ってあなたの元に還ってくるはずです。
お線香こそ、こだわりたい仏具の一つなのです。