お遍路

さて今回は「お遍路」について、少しだけ触れてみたいと思います。

「お遍路」は、俳句では春の季語です。

歳時記による説明だと、四国地方にある八十八ヶ所の霊場(札所)を巡拝すること、とあります。

ふと思うと遍路笠や杖に「同行二人」と書かれ、自分以外のもう一人は誰かというと弘法大師(真言宗の祖)と言われます。

しかし、お遍路を大きく解釈した場合、同行してくださっているのは、自分の信仰している祖であっていいのだと思われます。

霊場も、一〇八と言う方もおられますし、現に四国に八十八カ所しかお寺がないかというと、もっとたくさんあります。

お遍路とは、「合唱礼拝」することによって、仏に帰命するすることを申し伝えます。

「開経偈」によって、自分がお経や教えに対して、心してこれからお経をあげることを口上します。

「光明真言」によって、悩みに光明を与えてくださいとお願いします。

「回向文」によって、自分の行った良い行い(善根)の幸徳を他の人と分かち合うことを誓います。

これらをすることであり、宗派は問わない、迷いの中で生きる人間はただひたすら歩き、祈り、眠り、また歩き始めるのかもしれません。

四国には、日蓮宗の寺院が七十七カ所あります。

どうしても、ご聖人様と歩きたいと願うならば、こちらを回るお遍路の仕方もあります。

また、全国にある日蓮宗、池上本門寺と関係深いお寺を訪ねるというやり方もあります。

今、四国八十八ヵ所のお遍路と言っても、ツアーが用意され、バスで次から次のお寺に参る人もいます。

時間はないけど、八十八ヵ所回ってご利益を得たいから、お金もあるしバスだったりします。

中には期間中タクシー貸し切って回る方もおられるのだとか!!

四国の方々は、みな親切で心根が優しく、疲れた人を、どこのどなたかもわからずに「御接待」として、休ませ、食事も与えてくださいます。

それは、仏さまとともに自力で歩いてきた人にとっての行為です。

筆者も、機会があれば、自分の足で、お遍路したいと願う一人です。