そもそも仏壇ってなに?

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お仏壇は仏教の持つ宇宙像を反映するものです。

そう思うと、ご先祖様を供養するものだと思いこんでいた人には、ちょっと驚きかもしれません。

お仏壇をよく見ると、中央にくびれた台のある部分があります。

これは「須弥壇(しゅみだん)」と呼ばれるもので、「須弥山」を表したものす。

これより上は清らかな仏の世界で、下は地上世界だと言われています。

須弥山の上の宮殿(くうでん)に御本尊や仏画などが祀られます。

お仏壇内にはいたるところに、植物や動物、天人などの彫刻が施されていますが、これも浄土をあらわしていて、私たちの住む世界とはちがっているということが表現されているのです。

同じ仏教でも宗派や経典によって、宇宙観の違いはあります。

元来、お釈迦様は物質的な世界を超越しているので、これらの世界に住んでいると考えるのはおかしいのですが、古代インドの小乗仏教で作られた宇宙像は、大乗仏教の宇宙像にも大きな影響を受与えました。

仏壇もその影響を色濃く受けているので、世界の真ん中に須弥山(スメール)という大きな山があって、山頂には帝釈天が住む宮殿があるとされ、その上には弥勒菩薩の住む世界があるという考えが反映されています。

この様にお仏壇には、仏教の持つ歴史的な意味や哲学的な意味合いが凝縮されています。

先祖供養を大切にしつつも、特定の宗教をあまり信仰しない日本人ですが、お仏壇ひとつとってもたくさんの意味があることを知っておきましょう。

本来は、御本尊様を祭るための仏壇であることを知りつつ、御先祖様を大切に思ってもよいのではないでしょうか。