なにわ香炭
しばらくぶりに花峰のお取り扱い商品のご案内をさせていただきます。
今回は、玉初堂さんの「なにわ香炭」をご紹介させていただきます。
お線香でなくて、香炭ってなに?と思われた方も多いことかと思います。
イメージ的には、お通夜やお葬式の際、ご焼香する時に香炉の中にある黒く燃えている炭です。
二連にはなっておりますが、一本が10cm弱の長さになるように、真ん中の切れ目でポキンと折ります。
ポキンと折った面をろうそくの火であぶった後に、少し振ってみてください。
ふちの部分が赤くなっていれば、滅多なことでは消えません。
30分から1時間くらいは持ちます。この上に、抹香を捧げるのです。
抹香とは、お葬式などでご焼香に使う細かい木片のことです。
この木片自体が香料と申しますか、「お香」なのです。
沈香、白檀、丁子、麝香、龍脳の5種類が基本で、一般的に五種香といいます。
使用される香木や香料の数によって「三種香」「五種香」「七種香」「九種香」「十種香」などと区別されてきました。
実際には、それ以上の種類の香料が配合されているので、今では焼香の等級のように用いられています。
元々は、時間を図るための道具だった常香盤や時香盤などに使われてきた粉末のお香を焚くのが、香炭の役目です。
さて、「なにわ香炭」は香木を焚かれる場合は、全体を真っ赤になるように熾せば香炭の匂いが出ないので、邪魔になりません。
また、灰をかけて遠火でゆっくり煙が出ないように薫じると、香木本来の薫りが楽しめます。
最後に一つ注意があります。
できれば、仏前にあげた灯明の蝋燭から火をわけていただいてください。
これは、神仏に供えた火をわけていただく、それを個人(あるいはご本尊)に捧げるという意味からなのです。