サクラソウ
サクラソウは世界に約400種類あると言われています。
日本では北海道から本州、九州では高原や原野に分布しています。
日本では江戸時代に品種改良が進み、様々な品種が生まれ名付けられました。
江戸時代の後半には新品種を持ち寄って品評会が開かれるほどに人気のある花でした。
愛好家は武士が中心であったため、明治時代になると急速に衰退していきました。
しかし花の持つ愛らしさの為、また愛好家が増え再び盛んとなりました。
昭和31年には「さくらそう会」と呼ばれる愛好家のグループが発足されました。
最近では群落で見かけることの少なくなったサクラソウですが、さいたま市桜区に国の特別天然記念物に指定された「田島ヶ原サクラソウ自生地」があります。
4月中旬の花期には約10万人の人々が訪れるそうです。
外国のサクラソウでは、サクラソウの仲間であるカウスリップと呼ばれる花は、花がジャムやピクルスの香りをつけるために使われます。
花弁には鎮静作用があるそうです。
色は黄色の陽気な印象を与える花で、日本では仏塔の九輪に似ているので「きばなのくりんざくら」とも呼ばれています。
カウスリップと呼ばれるのは、牛が糞をした後に咲くことから名付けられました。
意味は雌牛の唇という意味です。名前は微妙な感じですが実際には爽やかな香りのする花です。
サクラソウは全体的にたおやかで、可憐なイメージのする花ですが、種がこぼれて繁殖しやすく、庭一面に咲くということもあります。
葉のかたちも可愛らしくサクラソウの美しさを下から支えているようでもあります。
そだてやすく可憐な花の代表ではないでしょうか。