サザンカ (山茶花)
寒くなって来ると途端に色のある植物が減ってしまいます。
紅葉が終わる頃となると、自然は鮮やかな色を失いしばしの休憩をしているようでもあります。
都市部ではそんなことは全く気にならない生活を送っていますが、自然の豊かな場所へ出かけると、秋から冬にかけての変化は劇的なものがあります。
全ての自然ががひっそりとなりをひそめ、昆虫や動物の気配もそれほど感じられなくなった頃。
時々色鮮やかに花を付ける植物があります。
そんな植物には心を奪われ惚れ惚れと見ほれてしまうものです。
そんな植物の一つがサザンカ (山茶花)です。
サザンカは花の無い時期に咲く貴重な耐寒性常緑高木です。
ツバキ科ツバキ属花色には桃色、赤、白等があります。
椿ととても似ていますが、葉に違いが見られます。
サザンカの葉はギザギザしていますが、椿の葉は丸い形をしています。
しかし寒椿とは、葉も花も似ているので中々区別がつきません。
また椿との大きな特徴の違いは、花の散り方にあらわれます。
花びらが一枚一枚散って行くのがサザンカで、花ごと落ちるのが椿です。
椿は花ごと落ちることが縁起が悪いということで、戦国時代は首をとらえることになぞらえて、庭木として植えるのは縁起が悪いといわれていました。
そこで似た様な山茶花であれば縁起が悪いわけではないので、江戸時代くらいから盛んに庭木として使われました。
原産国は日本で、日本でも比較的温暖な地域に自生しています。
サザンカは香りが良いものがあるのも特徴です。