煙の少ない上質な香りのお線香「花すみれ ブーケ」

お線香「花すみれ ブーケ」

2017年も早いもので既に2月に入り、今年のお山の節分会も無事終了いたしました。

さて、今日は玉初堂さんのお線香「花すみれ ブーケ」をご紹介します。

玉初堂さんの創業は、文化元年(1804年)。

玉初堂さんは、なんと創業210年以上の歴史を持つ、お線香と薫物製造一筋の老舗です。

はじめは、独自に沈香や白檀などの漢方香料の販売をされていたようです。

そして嘉永3年(1850年)初春、今の中国である清の線香師「薫玉初」より、線香製造法と調香の秘伝を伝授され、本格的に高級線香の製造を開始したとのことです。

つまり、漢方学の本場である中国からの免許皆伝を許された初めての専門店とも言えるでしょう。

それは、社名に刻み込まれています。

短寸のご進物用のお線香を初めて発売したのも、玉初堂さんです。

さて、花すみれですが、箱を開けるととてもたくさんの香りが来ます。

しかし、その一本一本を嗅いでも、圧迫感が感じられないのです。

さて早速、火を灯します。

上品な香りが、少しづつ少しづつ広がっていきます。

こちらのお線香も昨今流行の煙が少ない少煙タイプですが、少ないどころかほとんど煙がでません。

上質な香りが静かに、ただただ広がるだけと言っていいでしょう。

まれに、お線香をたくさんあげれば気持ちが通じるのでは、と思われている方がいらっしゃいます。

基本である前世、今世、来世、を意味する3本だけでなく、そのお仏壇にいる個人の名前を呼びながらご先祖様の本数だけ多量にあげていくお客様もいらっしゃいます。

仏さまは、足るを知っているから仏様なのです。

お線香の1本が一人のご飯茶碗1膳だと数えたら、大量のお線香はお米にして1升ににも2升にもなります。

しかし仏さまは、それほどには召し上がれないと思うのです。

例え1膳のご飯(1本のお線香)であっても、みんなで分け合って仲良くいただきます。

そこに争いはありません。

生きてる人間はご飯をつぐときに、お代わりさせたくて、「仏さまの1膳飯じゃないから、遠慮しないで」ということがあります。

どうでしょう、朝にご飯をあげるだけで、仏さまはお代わりを催促するでしょうか。

しませんよね。

それは足るを知るからきていることです。

私たち生きてる者も、足りていることを自覚したいものですね。

玉初堂さんのお線香は、そんなことを静かに無言で教えてくれます。

そして、この「花すみれ」には、香りのついた葉のしおりが、同梱されています。

なんだかそれが、仏さまからの贈り物に思えてなりません。

あなたの好きな本に挟んで長い時間使ってください。