仏壇の居場所

久しぶりにお仏壇のお話を書いてみたいと思います。

昔の日本家屋には「仏間」という特別なお部屋がありました。

仏壇が置かれ、壁には、先祖代々の肖像画や写真が並んでいます。

基本的に仏間を、寝所にしているのは、その家のおじいさんかおばあさんという長老。

だれもいない場合は、朝晩のお勤めだけに出入りする場所になってしまっていました。

仏さまを大切にして、部屋まで作るというのは、現代ではなかなか難しくなってきました。

家族が一つ部屋で休むのではなく、子どもがいたら子どもの数だけ子供部屋が必要であり、その子ども達が成長して巣立っていっても「自分の部屋」として残されます。

仏間を作るほどのスペースもないし、中には「仏壇は場所を取るから困る」といった人もいます。

さて。

仏壇の居場所はどこがいいのでしょうか。

仏間があった時代は、仏壇が大きいのに越したことはなく、競って仏壇の大きいのに買い替えたものだと聞きます。

でも、今はコンパクトな仏壇を、言葉は大変悪いのですが、インテリアの一部として、その家の家族がなるべく多く集まる部屋に置くのが良いのでは、などと思っています。

仏様は案外寂しがりです。

賑やかなところが好きです。

いつもいる部屋に仏壇があったら、自分が食べる前に「仏様で食べてください」とちょっとしたものでも上げることができますし、お花がいつも新鮮で、見ていて心が洗われるようなものを上げることもできます。

ちょっと仏様聞いて!みたいな、もう一人の私、聞き役にもぴったりです。

例えば、女系家族で、お嫁にみんな出てしまって、実家は空き家になってしまい、お仏壇もそのままと言った場合は、お部屋に簡単な仏壇コーナーを設けるのも一案です。

昔言葉で言うと影膳です。

血縁ではないけれど大切な人を弔う気持ちがある場合もそのコーナーで手を合わすことができると思います。

手を合わす気持ちは、必ず仏様に通じます。

仏様になったあなたの大切な人も、そこからあなたのことをちゃんと見ています。

そして、あなたのことを応援してくれています。

仏間がなくても、自分で決めた場所、それがあなたの仏壇の居場所です。