仏教にまつわる言葉
仏教では本来「お酒を飲んで酔ってはいけない」という戒律があるようです。
しかし、そんなことは関係なく、摂取されている住職もおられるかと存じます。
お酒のようなお湯、という意味合いの隠語のことを仏教では「般若湯」と呼びます。
般若とは、真実を見抜く悟りを開く智慧を表しており、智慧の湧き出る湯が「般若湯」ということのようです。
どの宗教にも厳しい戒律はあり、それに対する解釈も幾つかあるということでしょう。
目的もなく歩き回ることを、うろうろするといいますが、これも仏教からきた言葉です。
このうろとは、漢字にすると「有漏」と書きます。
漏とは、迷いや煩悩を表していて、それが有るということで、迷いや煩悩があるために決断できなくて行くところが分からない、という状態のことからきているのです。
他には、物事に一生懸命取り組み奮闘することを「しゃかりき」と言いますが、これは読んで字の如く漢字に変換すると「釈迦力」となります。
偉大な力を人々を救うためだけに注力し、惜しげもなく使う様子をたとえて、しゃかりきになる、というように表わすのです。
最後に「ありがとう」という言葉もこれは仏教からきた言葉のようです。
有り難しの意味は、存在しがたいこと・非常にまれなこと、を指しています。
発句経という経典に「ひとの生をうくるはかたく、死すべきものの、生命あるもありがたし」
この一説は、生まれることが難しい人間として生きている今を『有り難し』と感じることが語源なのです。