北枕と枕飾り

北枕とは、頭を北へ足を南へ向けて寝ることですが、日本では死者の頭を北に向けて寝かせます。

お釈迦様が入滅する時にも北枕だったそうで、世尊は右脇を下にして、頭を北方にして枕し、足は南方を指す。

面は西方に向かい・・・と言われるように、お釈迦様が亡くなる時、頭を北に向けたことから始まりました。

一般的には亡くなった方に北枕を施した後、枕飾りといわれる飾りも施します。

枕飾りはローソクの光を光明と捉え、線香の煙を食物と考えます。

光明は死者が迷わない様に道を照らしてくれます。

それから「一本花」に使用しるシキミは、魔除けの意味があります。

元々はシキミの毒性の強さから悪しき実と呼ばれていて、生命力がとても強いので魔除けになると考えられたそうです。

毒をもって毒を制すといったところかもしれません。

「枕飯」は魂の形に丸くして備えます。

肉体を作る米の力を魂にも与えようとしたものだそうです。

「枕団子」の数は大抵が六個で六道を表しています。

六道とは地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六世界をめぐる象徴です。六文銭や六地蔵などもこの考えに由来しています。

「守り刀」は邪霊を払う為に持たせると言われています。

このように仏式でお葬式を行う場合は、北枕や枕飾りの用意がされます。

現代の人にとては、迷信の様な気がしてしまいますが、これらのことを一つ一つ準備することで気持ちが落ち付きますし、同時に心の準備も整っていくというものです。