御霊宝のお風入れ式
本日10月29日は、池上本門寺境内の霊宝殿にて『お風入れ式』が行われました。
『お風入れ法要』は予定通り、厳かに執り行われ、その後『お風入れ式』となりました。
さて、この霊宝殿ですが、現在は施設そのものが展示スペースとなり、毎月のように展示物の入れ替えがあります。
そのため、昨今では数多くの宝物が新鮮な空気に触れる機会が増えました。
しかし元々は、年に一度風を入れ替えることで、宝物の虫干しを兼ねて「風入れ」が行われていたのです。
それは同時に、池上本門寺で学ぶものにとって、古を知る勉強の一つであり、歴史に触れる貴重な時間でもありました。
例年、お会式後の10月末ごろの午前10時からお風入れ法要の後、午後3時までお風入れの一日は続きます。
その際、日蓮聖人の御本尊・御真蹟(ごしんせき)や御遺物(ごいもつ)などが展示されます。
日蓮聖人の御心と息吹を間近に感じることのできる非常に貴重な機会でもあります。
霊宝殿では、宗祖龍口法難に因んだ、「日蓮聖人註画讃」(桃山時代。兜木コレクション)より巻第三「龍口首座」、伝丸山応挙筆「龍口法難図」(結城・妙国寺蔵)、狩野典信原図「日蓮聖人縁起絵巻」粉本の「龍口御難」、堀内天嶺「日蓮聖人御一代画讃」より「龍口首座」、小川泰堂居士感得の祖師像なども展示されております。
また、歴代聖人の御遺宝は、第31世本慈院日廣聖人本尊、第41世慈明院日洋聖人本尊、第45世歓喜院日意聖人本尊、第55世順了院日操聖人本尊、第70世慈秀院日迦聖人本尊と、書を展観しております。
そして、江戸時代後期の漢詩人で、小川泰堂居士の義父でもある大窪詩佛の漢詩や墨竹画を見ることができます。
なお、今月の御真蹟は、弘安5年2月御本尊(良賢授与・写)、「冨木尼御前御返事」(文永11年)、「撰時抄」断簡他二紙八行の3点になります。
また、合わせて開催中の「日蓮聖人縁起絵巻の世界‐狩野栄川院と本門寺」は引き続き、12月24日(金・土・日曜、祝日のみ開館 10:00~16:00)までの期間で、ご鑑賞いただけます。