御霊宝御風入れ式は7月25日

毎年7月25日に、大堂下大広間を会場として、年に一度の本門寺御霊宝御風入れ式が行われます。

本門寺に格護されている日蓮聖人直筆の大曼荼羅大本尊はじめ、本門寺開基檀越の池上兄弟(宗仲公・宗長公)に聖人が書き与えられた「兄弟抄」(重要文化財)や、昭和20年4月の戦災空襲の中から奇跡的に難を免れた宝物を虫干しする儀式のことを、お風入れと呼びます。

今は、しまっていて黴臭くなったり虫がついたりというようなずっとなにかの中に入っていることもなくなりましたが、季節的にカラッとした風を通すことが文化財を守るという慣習なのです。

一般参詣者にも公開されます。

さて。

日蓮聖人と池上本門寺と、池上兄弟には切っても切れないお話があります。

兄弟は、熱心な真言律宗の父親の元に、生まれました。

しかし、日蓮宗の信徒となった兄・宗仲は父親に二度勘当されています。

けれど、信仰をすてることなく、弟の宗長を勧誘し、のちには勘当までした父親も、日蓮宗に入信しているのです。

1282年9月18日、師であるお聖人様が病気治療のために常陸国へ旅する途中、武蔵国池上郷(現:東京都大田区池上)にあった、兄弟の居館(池上邸)に滞在し、10月13日にお聖人様は、そこで入滅したのです。

お聖人様七回忌の際、宗仲公は日蓮六老僧の一人・日朗と協力して日蓮の御影像を造りました。

像の胎内には日蓮の遺灰を入れた銅筒がおさめられています。

この御影像を安置したのが池上本門寺なのです。

宗仲公は、日蓮入滅後、館やその周辺の土地を寺に寄進し、寺領としました。

この寄進地が池上本門寺の基礎となりました。

その中でも、彼の居館は日蓮入滅の霊場として重要視され、長崇山本行寺(池上本門寺の院家)となっています~1276年に、家の持仏堂を法華堂に改め本門寺の基盤にしたところ。

そんな池上兄弟にまつわる宝物も見ることができるかもしれません。

いずれもが、歴史の中で繰り返された戦火を乗り切って現存する貴重品、かつ文化財です。

是非、拝観なさってみてください。

また、その年によって見られるものが違うので、毎年楽しみに拝観される方々も多くおられます。