本門寺花峰のお線香【花峰香 南無妙法蓮華経】
私たちは、朝のお勤めをするときに、自分の宗派の言葉を口にします。
日蓮宗では、『南無妙法蓮華経』ですね。
『南無』はサンスクリット語の漢語の音写音で『わたくしは帰依します』(帰依:神仏を信仰してその威徳にすがること)を意味します。
『南無妙法蓮華経』の五文字はサンスクリット語の『サッダルマ・プンダリーカ・スートラ』を鳩摩羅什という偉い僧侶が翻訳した版の法華経の正式な題名(題目)のことです。
『南無妙法蓮華経』の七字で『法華経の教えに帰依する』の意味があり、これらの文字を五字七字の題目と呼ぶのです。
開祖日蓮聖人は、念仏を延々と唱える事をよしとせず、日蓮宗を立てると供に『南無妙法蓮華経』のみを正行としました。
そして日蓮聖人が、32歳の春。
1253年4月29日の朝、清澄山旭ヶ盛りの一角に立ち、太平洋から暁闇を破って輝き出る太陽に向かって、大音声で『南無妙法蓮華経』と題目を10階、口に唱えることを初めて行いました。
そして、日蓮聖人自身の心の闇が晴れ、改めて身を浄め、勇躍、説教の場に向かったとされているからです。
12歳で清澄山に上がって以来、20年をかけてたどりついたもの。
それは『法華経』に絶対的に帰依することであり、『法華経』の記述がすべて真実であると信じ切れたからに他なりません。
それだから、日蓮聖人のお名前にもそれはちゃんと現されているものです。
闇を照らす日月、泥沼の中にあっても美しい花を咲かせる蓮華。
そのように世の救済のために邁進していこうという決意を込めた改名だったのです。
時々、日蓮聖人といっしょに、お線香の『南無妙穂蓮華経』の文字を一文字一文字確認しながら、朝に言葉にしてみませんか。
一日の始まりに、心を一新させて、一日を過ごす。
あなたの心の中の思いは、日蓮聖人に届くはずです。
そのような願いを込めて、『花峰香 南無妙法蓮華経』をつくりました。