本門寺花峰のお線香~《多寳香》
本門寺花峰オリジナルのお線香『多寳香』もまた、沈香の仲間の中に入るお線香の一つです。
池上本門寺『多宝塔』は平成22年に国の重要文化財に指定されました。
それは平成の大修理を経て絢爛に蘇った宝塔にふさわしい指定でした。
その様を後世に伝えるべく、記念の一品として御作りしたお線香が、『多寳香』です。
時代を超えて、悠久の仏様への思いを、または感謝の気持ちを伝えるといった存在感を、多くの寳と表現して香りを作り上げました。
1400年以上の歴史を持つ『沈香』が、欠かせない中心の香りといたしました。
『沈香』の香りだけでなく、貴重な漢方香料を混ぜ込む事で、長く香りが続き、かといって鼻触りは大変優しい仕上がりとしました。
沈香の香りは『甘・酸・辛・苦・しおからい』の五味に通じるので、仏様は、お線香の煙を充分に味わう事ができます。
その元になる香木が古ければ古いほど、味は増しておいしくなるとも言います。
また、香りの質、お線香の質ですが、部屋でお仏壇に点すものと、お墓参りに持っていくお線香は気がつかずとも異なっています。
お墓は、長く居ても、線香一束がとぼれるまでのことであり、それは、仏様と一緒にピクニックに行ったときのお弁当の時間と考えればいいでしょうか。
でも、家の中では、その家の隅々、仏壇に限らず、仏様が食べたい所で煙をお食べになれるように、沈香の成分が少しだけ強いお線香を焚くのです。
その香りが続く限り、仏様はひもじい思いはしません。
もちろん、今を生きている私たちが、お部屋に焚いても、気持ちのよい香りを焚くのが一番です。
なぜなら、仏様は私たちと常に一緒にいらっしゃるので、好みの味は同じなのです。
高価なお線香を焚いても、その香りで気分が悪くなることは、仏様は望んではいません。
身の丈でよいのです。
身の丈でおもてなしや日々のお仕事をさせていただくことが、私たちの一番の仕事です。
この『多寳香』、店頭で是非、ご試香なさってみてください。
お待ちしております。