桔梗(ききょう)
桔梗(ききょう)の開花時期は6月初旬から8月中旬頃で、一般的には夏の花として知られています。
草丈は40~100cm程度にまで伸び、葉は楕円形で、葉の縁は鋸歯状になっています。
つぼみが徐々に緑から青紫に徐々に変化し、可憐な星型の花を咲かせます。
花の色は、紫色もしくは白色です。
開花直前(つぼみの状態)は、花びら同士が互いの縁でピッタリくっついたまま膨らみ、その様はまるで風船のようです。
開花前のつぼみ状態を指でつまむとプチッとつぶれて中から水分がはじけます。
こうしたことから「バルーン フラワー」という英名を持っています。
また、根は薬用成分の「サポニン」を多く含んでおり、桔梗根と呼ばれる生薬としても活用されています。
この「サポニン」は、昆虫にとっては有毒な成分で、自らを昆虫の食害から防御しています。
また、花の輪郭形状が特徴的なことから、古来日本では武士達に愛され、家紋などにも多く取り入れられています。
実は、かの逆賊として名高い明智光秀の明智家も桔梗紋です。
そして、桔梗(ききょう)という花名は、古くから多くの人々に親しまれ、全国の地名や構造物のほか、あらゆるモノの名称としても使われています。
たとえば国内では、最も有名かつ崇高な構造物のひとつとして思い当たるのが、皇居を取り巻く内濠沿いの一部が「桔梗濠」と呼ばれるお濠であり、そこには「桔梗門(正式には内桜田門)」が厳かに鎮座しています。
夏の花として知られる桔梗(ききょう)ですが、秋の七草であるオミナエシ、ススキ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、ハギ、キキョウ、というように暦の上でも私たち日本人に深く愛されてきた草花なのです。