死化粧と死装束
死化粧・死装束とは、故人に施す化粧のことです。
以前に映画の題材になり、当時は少しだけ話題にもなった死化粧や死装束には、どんな意味がこめられているのでしょうか。
女性が行う化粧というよりは、身だしなみを整えるという意味合いが強いです。
葬儀が終われば、故人の遺体は火葬されますので故人と面と向って会えるのは最後になります。
参列してくれた弔問客に対しても最後に綺麗な印象を残して欲しいという心配りでもあります。
病気が原因で亡くなった場合には、闘病によって元気だったころよりも、やつれてしまっていることもあるでしょう。
死化粧の方法は目をつぶっている状態の顔を整え、痩せてしまっている方には、ふっくらと見えるように頬の中に脱脂綿を入れる、血色が良く見えるように口紅やチークなどで化粧をします。
男性であれば、髭をそり、髪の毛を整えるなどをし健康的に見えるように施します。
死化粧や死装束にも傾向があり、以前は白く塗ってしまうものでしたが隠してしまうのではなく、シワやシミもそのままで自然のままで最後を迎えて欲しいと願う遺族が多いようです。
また以前までの死装束は経帷子・たび・三角布といったものだったのであまり好まれていなかったり、その姿がいかにも死者を想像させたりと不人気でした。
最近では故人が生前気にいっていた洋服や着物を着せて送りだすことも増えてきています。
死化粧や死装束が最近では形式に囚われなくなってきたのは、最後までその人らしくいて欲しいという遺族の願いの表れなのでしょう。