池上本門寺 法華経千部読誦会

4月28日は、建長5年(1253年)に日蓮聖人が初めて御題目(南無妙法蓮華経)をお唱えになった日、立教開宗の御聖日です。

それを記念して、池上本門寺では今週末、27日、28日、29日の3日間に渡って「千部会」が開かれます。

「千部会」とは、「法華経」一部を千部(千回分)読誦することを意味します。

われわれの間では「お千部(おせんぶ)」と呼ぶことが多いです。

そもそも、天平20年(748年)に聖武天皇が先帝の崩御に際して「法華経を千部、写経して供養した」と日本書紀にも記録されているくらいの歴史があります。

しかし、現代。

僧侶という職業、また修行する者たちだけが、28日をはさんで法華経を千部読誦だとしても、それが布教につながるのか、というとまた別の意味合いを持ってしまいます。

千回読誦するのではなく、参拝者(檀家信徒など)を含めて大勢でお経を読み、御題目を唱える法要に、その姿を変えた「千部会」が今日あります。

法華経一部(八巻二十八品)を読誦して、報恩法要とします。

バチと腕が垂直に天を指す独特の叩き方で太鼓が鳴らされ、千部会が始まります。

そして、七条袈裟をまとった70人の僧侶が入堂してくるのです。

美しい天蓋と五色の布が巡らされた本堂には、荘厳なお経が響き渡ります。

「千部会」では、読誦だけではなく、未公開ですがご本尊の御衣が読経が聞こえる中で夏衣に着替えるという儀式もあります。

また、最終日には、稚児行列もあります。

そして、特別企画として、仏教法話も行われます。

4月27日(土)は、「仏様とは?」というテーマで、一条寺の金子和正師が法話を致します。

28日(日)は、「浄土はどこにあるのですか」をテーマに、延台寺の中島源吾師がお話をします。

日々私たちは、法話というと、お葬式や法事の席でしか聞くことがないものです。

しかし、法話には、私たちが生きていく上で、仏さまから脈々と伝えられている大切なヒントが含まれているものです。

檀家信徒でなければ、御寺も少し縁遠い場所になりがちな昨今、せっかく土曜と日曜(ゴールデンウィークでもありますね)に当たった今年、法話に静かに耳を傾けるチャンスではないでしょうか。

仏さまは常に私たちの身近なところにいらっしゃることが、実感できるかと思われます。