漆塗りと金仏壇
金仏壇には金箔が施されているのはもちろんですが、仏壇全体に塗られた黒い漆に金が施されています。
この黒と金の色のコントラストは、浄土を模して作られたと言われる金仏壇にぴったりです。
金仏壇は全体に黒い漆が施されていることから、漆仏壇と呼ばれることがあるほどです。
日本の漆塗りの技術は世界でも高く評価されています。
2000年以上前に建立されたと言われる正倉院にも多くの漆製品がおさめられています。
このことからも日本は古くから漆の技術を有していたと考えられていいます。
一説によると縄文時代から漆塗りの技術は存在していたそうで、古代の日本人も漆の耐久性の高さに注目していた事実が伺えます。
漆には高い耐久性があるのと引き換えに、同時にその扱いの難しさが挙げられます。
漆を塗るのには高い技術が必要な上に、大変な手間がかかります。
職人さんは時間をかけて何回も漆を重ねながら施していきます。
漆は空気が乾燥していると上手に乾きません。そのため、漆風呂と呼ばれる部屋で、高い湿度を保って塗られます。
また、漆を乾かす時に埃がかぶらない様に気をつける必要があります。
以上のように漆には大きな手間と時間と技術が必要となってきます。
ですので、現在はその漆に代わるものも登場しています。
それはカシュー塗料と呼ばれるものですが、これは化学塗料です。
耐久性もあり、安価に仕上げることができるので低価格の仏壇には多く活用されています。