病院の霊安室

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病院の霊安室に行かれたことがあるかたには、その寒々しさに悲しさが倍になったという経験をお持ちの方もたくさんおられるのではないでしょうか。

どうして病院の霊安室ってあんな風なのでしょう?

人生の最後の部屋がどうしてあんなに無機質で寂しいものなのでしょう。

また亡くなった本人だけでなく、亡くなった遺族を見送る家族にとっても、病院の霊安室はなんとも居心地が悪く寂しすぎる環境なのではないでしょうか。

どうして霊安室があんな風なのか。

それはそれぞれの病院にそれぞれの意見があるでしょうけれど、霊安室についてしらべていたらこんな病院があったので、書かせていただきます。

宮城県立こども病院のお話です。

「すべてのこどもに命の輝きを」という基本理念をかかげている病院です。

この病院は看護士は白衣を着用していません。

白衣は子供達が怖がるからだそうです。

コスチューム委員会で選定された6種類のユニフォームの中から、各自が好きなものを選んで着用しているそうです。

院内も可愛らしい装飾が色々な所にほどこされ、おかしのいえのエレベーターが行ったり来たりします。

ロビーの一角にタイル張りの小さな小川まで流れています。

こんな宮城県立こども病院ですが、ここには霊安室は存在しません。

亡くなってしまった子供は「祈りの部屋」安置されます。

祈りの部屋は光で溢れかえり、レースのカーテンと六角形の部屋で天井に行くほどに狭くなっていくつくりは、天国への階段をイメージさせます。

「ここは病院の良心ですね」祈りの部屋を見学された方の言葉だったそうです。

病院に良心を。

このように願わずにはいられません。