盆灯篭
そろそろお盆の時期ということで、本日は盆灯篭について少し記してみたいと思います。
・盆灯篭のルーツ
盆灯篭は今から約800年前の鎌倉時代辺りから、外で屋根高く火を焚き挙げて、ご先祖様を迎え入れていた事が由来であるとされています。
しかし、この方式は風に煽られ、かなり危険です。
そのため、風をよけるために和紙を張った灯篭を高く掲げる「高灯篭」が盆灯篭の原点となっています。
現代は「迎え火」と盆灯篭は別ですが、昔は迎え火としての役目だったので重要な役割をしていました。
ちなみに、現在でも高灯篭の風習が守られている地域があり、夜になったら明かりを灯してご先祖様をお迎えするそうです。
・江戸時代の「粋」
江戸時代では精霊棚に盆灯篭という形になり、当時は一年と持たないものでした。
京都や大阪では白紙の灯篭、江戸では蓮を描く事が多かったそうです。
江戸の「蓮を描く」というのは何とも粋で、現在にもどこか通じるところがありますね。
今のような姿になったのは、意外と歴史が浅く近世の電気の発明で灯篭に灯す蝋燭が電気になり、何年も使えるように改良され、極楽を思わせるような装飾が施された灯篭になりました。
・現代の「盆灯篭」事情
田舎では大きな盆灯篭が一対で並んでいる光景を見かけますが、都会では「吊るすタイプ」や「小型」タイプに「回り灯篭」など、実に様々なタイプがあります。
布が主流でしたが、技術の進歩でLED電球を使って電気と明かりの耐久年数を節約したり、様々なタイプが登場しています。
盆灯篭は、長期間に使うものなので慎重に選びたいですね。