一般化した直葬

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現代のお葬式の最大の傾向は、葬儀費用の低下です。

葬儀費用は、年を追うごとに急速に低下しつづけています。

これには経済状況が不景気ということももちろんありますが、それだけではない現代の人間関係の在り方が最も大きく影響しているのではないかと思います。

そして葬儀費用低下の最大の原因は、葬儀の参列者が減少していることが挙げられます。

葬儀の規模は、親戚の人数や、参列者の数とイコールです。

親戚の数自体は早々減るものではありません。

しかし、ある家庭がどこまで親戚関係を継続しているかどうかを考えた時、実際に親戚づきあいを従来通り変わらず継続出来ているのでしょうか。

実際にその数は、かなり減少しているのではないでしょうか。

都市部と地方では、この辺りの考え方に大きな違いがあるので、葬儀だけでなく婚礼などセレモニー全般の規模が、地方ではまだまだ大きいということが言えるかも知れません。

地方では未だ、叔父サンや伯母さん、従姉妹や甥っ子、姪っ子を自分の家族の一員とだと認識している方がたくさんいます。

従姉妹と姉妹の様にして育ち、同じ小学校に通うなんていう話も稀ではありません。

しかし都市部では、そんな心を許せるのんびりとした親戚関係を保てている方なんて、ほぼ皆無なのではないでしょうか。

そもそも核家族化で親戚が身近に居住していないことも多いと思います。

しかし本来、親戚とは「関係」を築くものではなく、何となく身の回りに広がっているものでした。

その広がりの中で育ち、時に揺さぶられながら、成長していくものでした。

近所関係も、これに近いものがあり、隣の子供も自分の子供と同じ様に育てるという意識が大人にはありました。

そんな風に、周りになんとなく人間関係が広がっていたので、誰かが亡くなると皆で葬儀を手伝いました。

煩わしいながらも、それが人として生まれてきた宿命の様なものでした。

現在は、そんな人間関係が変化し、既に関東のお葬式は、実に5件に1件が直葬となっているのです。