眠りの木
眠りの木というところから名付られた植物があります。
それが合歓の木 (ねむのき)です。
合歓の木は、日が当たると開き、当たらなくなると閉じて眠ったような感じを与えるのでネムノキと名付けられました。
また「合歓」という漢字には、男女が共寝すること、喜びを共にすることを表すという意味があり、お隣の中国では夫婦和合、家内平和の象徴として縁起の良い木としても知られています。
日本では東北地方以南に生育する落葉の高木で、梅雨の終わりから盛夏にかけて、化粧に使用する刷毛のような形の美しい花を咲かせます。
芭蕉にも中国絶世の美女とされた西施にこの花が例えられ、「象潟(きさかた)や雨に西施(せいし)がねぶの花」と読まれました。
このネムノキ、外国ではパラソルツリーとも呼ばれネムノキが傘を広げたような樹形になる種類のものがあることからそう呼ばれています。
この木何の木♪で知られる、ハワイ・オアフ島のモアナルア・ガーデンパークにある樹齢130年の大木もネムノキの仲間で、「アメリカ・ネムノキ(亜米利加合歓木)」といいます。
こちらはハワイではレインツリーと呼ばれているそうです。
しかし日本ではほとんどが眠りに関係した名前で呼ばれます。
ねんねの木、眠りの木、日暮らしの木、等々殆どが眠りを意味する呼び名ばかりです。
夜になると葉を閉じ、太陽が出てくると葉が起き始めるこの木の開花時期は、6月半ばから9月始めまでです。
花は夕方に咲き始め朝にはしおれる1日花です。
なんとも不思議な木ではありませんか。