軍師 黒田官兵衛の辞世の句

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死期を悟った人物が人生を思い返し、それを短歌や漢文に表現したものを「辞世の句」といいます。

この「辞世の句」を読むのは、何も日本人だけでなく海外の歴史上の人物達も死期を悟り、それを詩にしています。

さて今回は、今年2014年の大河ドラマでも注目されている黒田官兵衛の辞世の句のお話です。

『おもひおく 言の葉なくて つひにゆく みちはまよわじ なるにまかせて』

これは、戦国乱世の天才軍師であった黒田官兵衛の辞世の句です。

この句の意味は、

「今となっては思い起こすことは何もない。最後の道行に何の迷いもない。なるようになるまま進んでいこう」

というような意味の句です。

黒田官兵衛と言えば、天下人の豊臣秀吉に「本気になれば、官兵衛こそが天下人となるであろう」とまで言わしめたほどの人物。

太閤殿下の言葉からも分かるように、官兵衛には時の天下人も羨む卓越した才能を持ちながらも、軽薄な野心などとは程遠い人物だったことが伺えるような気がします。

黒田官兵衛(本名:孝高(よしたか))は、1546年12月22日(天文15年11月29日)に生まれ、1604年4月19日(慶長9年3月20日)58歳で没しています。

秀吉と共に数々の武功をあげ、1582年の明智光秀の謀反により本能寺の変で織田信長が討たれた時も官兵衛は秀吉と毛利(中国)攻めの真最中でした。

しかし、明智謀反の知らせを受けるやいなや即座に逆臣・明智光秀を討つよう秀吉へ進言。

早々に毛利と和睦後、所謂「中国大返し」を成功させました。

そんな黒田官兵衛ですが、晩年の出家後は黒田如水(じょすい)と名乗り、福岡藩の藩祖として当地の勃興に尽力されたようです(諸説あり)。

「水の如し」と書いて如水。

今までの数多の功績を水の泡に例えた名前です。

まさに我欲を超越した黒田官兵衛らしさが、出家後の名前にも表されているように思えてなりません。



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