精霊流し

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精霊流しというと、物静かで、おごそかな儀式を連想する方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際の精霊流し(しょうろうながし)は亡くなった人の霊を爆竹の音とともに送り出す賑やかな儀式なんです。

この長崎伝統の精霊流しは、一年間に亡くなった方の例を精霊船に乗せ爆竹の音をにぎやかに響かせながらねりあるきます。

音も賑やかなら、精霊船も賑やかな飾りが施されます。

船を飾るのは提灯や花、それから亡くなった人が好んだものを飾りにしたりするので、それぞれに個性があり、見物客も大勢出るほどです。

長崎市内では、爆竹の音が響く中、色とりどり、個性豊かな精霊船が登場します。

船の大きさは両手で抱えられる大きさがあると思えば、10メートルを超える巨大な精霊船も登場します。

警察の発表では、長崎全域では3500もの船が出るそうです。

さだまさしさんの精霊流しという歌は映画にもなって、とても有名ですが、あの風情を求めて長崎へやってきた人は、とても驚くことになります。

歌の中の風景とは全く違った現実の光景にギャップを感じない人はいないのではないでしょうか。

ですので、観光客からは、毎年爆竹の量が多すぎるのではないかとう苦情が警察署や役所に寄せられるそうです。

元来、精霊流しはお祭りではありません。

爆竹や花火には、魔除けの意味があるのです。

そして、何より長崎県民は爆竹が大好きです。

そんなことを考えると、よそ者が意見するべき問題ではないような気がします。

どの地域にもそれぞれに、ご供養のカタチがあるものです。

まして地方にはそれが色濃く残っています。

そんな風習を現代の流儀に合わせて消してほしくないと思います。