紅花
紅花は黄色から赤に変わる花を咲かせるキク科の1年草で、学名は Carthamus tinctoriusといいます。
Carthamus(カーサマス)はアラビア語の染める(quartom)という言葉が語源だと言われています。
原産地ははっきりとは確定していないのですが、地中海沿岸か中央アジア原産あたりだろうと推察されているそうです。
紅花は色素を持つ花で、花には黄色素サフロールイエローと紅色素カルサミンという二種類の色素が含まれていて、サフロールイエローの黄色は水溶性なので、衣料品の染め物や、食品の着色に使用されています。
赤色色素のカルサミンは水溶性ではなく、発色がよいので、口紅などに利用されます。こちらは高級品です。
日本に紅花が伝わったのは、高句麗のお坊さんが日本に紹介したからだと言われています。
日本最古の女帝と言われた推古天皇の時代から紅色の色素を抽出するために利用されていたことが分かっています。
平安時代に下ってからも、紅色の色素は口紅として利用され、当時の貴婦人には欠かせないものでしたが、一般人には手が出ないほどの高級品でした。
紅花は染料としてだけではなく、食料としても利用されてきました。近年においては、種子からリノール酸というコレステロールを取り除く成分がふくまれていることから人気の食材とてなっています。
古くから人々に愛された紅花には、末摘花(すえつみばな)紅藍(べにあい)、久礼奈為(くれない)などたくさんの呼び名があります。