継承しない墓

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人は亡くなれば荼毘にふされ、埋葬されます。

平常時においては、遺骨が埋葬されたお墓を放置しておくということは、ありません。

お墓は継承者がいてはじめて存続するもので、その継承者は本来「子供」です。

しかし昨今、子供が「お墓を継承する」ということ自体が減少しつつあるようです

その理由としては、「家族関係の希薄化」が、そのようにさせてしまうのかもしれませんし、仮に継承すべき子供がいても「墓地の維持管理を託すような経済的負担をさせるのはいかがなものか」と考える親たちもいるようです。

ということは、継承者がいない場合というのは、より一層深刻な問題となってくるのではないかと思います。

家族がいない単身者や、子供のいない夫婦などは「自分達の最期をどのようにしたらよいのか??」が、悩みのひとつとなるのです。

法によれば、

『系譜、祭具及び墳墓の所有権は、相続分の規定によらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを継承する』

としています。

相続する人の指定がある場合、遺言もしくは生前の指定により、その指定された人が継承します。

しかし、これだけでは決まらないのが人の世の現実です。

そうした場合、「裁判所が継承者を決定する」ことになります。

お墓の継承は非常に深刻な問題です。

継承については、家族・親族できっちりと話し合うべき課題なのではないでしょうか。

家族関係の変化と同時に、墓の継承や埋葬に関しても人々の考え方や価値観が変わってきています。

そこで今、注目されはじめているのが「継承しない墓」なのです。