自然葬

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自然葬とは、所謂「散骨」とも呼ばれているものです。

自然葬は、海や山へ遺灰を撒くことをいいますが、いわば本当に「自然に還る」ということになるのではないかと感じられます。

昔は、自然葬は違法だと思われていました。

しかし、社会的合意を拡げようと、運動を推進してきた市民団体「葬送の自由をすすめる会」の活動が大きく注目され、厚生労働省や法務省から自然葬は、節度をもって行われる限りにおいて、法的には問題はないという見解が出されたのです。

自然葬を考える人々の多くは、相続者がいなく永代供養が出来ない、未婚者や身内のない方、宗教的な囚われのない方法を選びたい、墓に入ることなく自然に還りたいという人たちから多くの支持を得ています。

もちろん、金銭的な問題を抱えている人たちの中には、「お金がかかるくらいなら、散骨して欲しい」という人も少なくありません。

現在は自然葬儀の人気が高まりつつあり、2009年の時点で既に実施回数は1400回を超えている、といわれておりましたので、2016年現時点での件数としては、相当数に上っていると思います。

私の友人の父親は、「遺灰を自然に還して欲しい」との遺言だったらしく、埋葬は散骨にしたそうです。

友人は、「父は、とても喜んでいると思う」と話していました。

実は、私自身もそうした経験を持ちます。

私の伯父は生前、大のヨット好きで、暇さえあれば一人でも海へ出かけていくような人でした。

その伯父が、ある日「もし、私が死んだら一部でも良いから海に還してくれ」と私に話しました。

私は、伯父が亡くなった際、伯母の了解をもらったうえで、彼の遺言通りに遺骨の一部を某県某市の美しい海に還しました。

一昨年の夏、当ブログでも取り上げましたが、ロケットで少量の遺灰を宇宙で飛ばす「宇宙葬」というものまで登場し、一部で話題になっています。

この宇宙葬、既に国内でも利用者登録の実績があるようです。

いずれにせよ、自然葬も、宇宙葬も、ひとつの埋葬の形として、今後ますます社会的認知を広げていくことでしょう。