花立てとは
仏壇に花を供えるのが『花立て』です。
三具足の内のひとつで、経机や前卓の正面左側に配置します。
五具足においては、香炉の両隣に一対で配置することになります。
花立てには『仏花(ぶっか)』を供え、『常花(じょうか)』を飾ります。
仏花というのは、装飾の切り花より短く切り、3、5、7本と奇数を一対にして、形をひし形に整えて供えることを言います。
仏花というと、少し大袈裟になりますので、別に普通の生花を供えてもかまいません。
一般的には、アザミや薔薇のようにトゲのあるものや香りが強いものは駄目という制限があります。
よく使用される品種は、菊、カーネーション、ヒャクニチソウなどです。
仏壇に供える花には、どのような意味があるのかご存知でしょうか?
仏教において、花を供えると言うことは非常に重要なことです。
仏様は、どんな過酷な状態に置いても耐えて、力強く美しく咲く花に感銘したからだと言い伝えられています。
六波羅蜜(ろくはらみつ)という言葉があります。
理想の世界である『彼岸』へ渡る方法として、布施(めぐみ)、持戒(つつしみ)、忍辱(しのび)、精進(はげみ)、禅定(しずけさ)、智慧(ちえ)がありますが、これを六波羅蜜といいます。
この六波羅蜜のひとつである忍辱(しのび)が、花を飾る由来のようです。
意味としては、自然の厳しい環境に耐えて、咲く花の美しき姿に加えて、供えられた後も耐え忍んで咲き続ける力強さから、人間の修行(忍辱)の誓いになぞらえて、花を活けるようになったようです。