がんばれ仏教葬
昨今、都市部では仏教葬で葬儀を行わない人々が、年を追う毎に増加しているのをご存じでしょうか。
事実、都市部では約5割の人が菩提寺を持っていません。
一方、地方で行われる葬儀のほとんどは仏教葬ですが、そうした常識は都市部ではもはや通用しないものとなりつつあります。
既に幼いころから、お寺とのお付き合いがない方が成人しているのが都市部の実情なのです。
そもそも檀那寺を持たない人が、仏教葬に関心を持たなくなるのは当然の成り行きかもしれません。
東京・神奈川の首都圏では、こうした現象が特に目立ってきています。
いままで仏教以外の宗教に属さず、かつ仏教葬を行わない人、というのはほとんどいませんでした。
しかし、仏教葬で葬儀を行わない無宗教葬の方が8パーセント近くにも達しているのです。
無宗教葬は、お坊さんを呼ばない葬儀です。
無宗教葬の葬儀は、特に決まったルールのようなものはなく自由な葬儀を行う、というのが最大の特徴です。
また、仏教葬でも従来の祭壇を使用したものが年々減少していて、その代わりに花を飾っただけの生花祭壇などが高い人気となっています。
お葬式に自由化の波が押し寄せているのは事実です。
とはいえ、現在でも葬儀においては仏教葬はオーソドックスであり、無宗教葬は珍しい部類ではあります。
が、昨今の無宗教葬の増加は急激と言っても過言ではなく、将来はどのように変化していっても不思議ではありません。
もし、このままお葬式の仏教離れが進んだらお寺の存在はどうなってしまうのでしょう。
宗教本来の持つ意味について、供給サイドが本気で考えなくてはいけない時代になってきたのかもしれません。