釈尊涅槃会

さる2月15日、池上本門寺では、釈尊涅槃会が執り行われました

この日は、本殿に「釈迦涅槃図」をまつり、本門寺役課・随身・参拝者一同、お釈迦様の涅槃を思い、法華経・御題目を唱和し、信行会が和讃を奉じ、お釈迦様の大恩に感謝します。

法要は、11時より本殿で厳かに行われました。

383年(紀元前386年、紀元前486年など諸説あります)の2月15日に、お釈迦様は、80歳をもって涅槃に入られました(80歳でお亡くなりになり、本当に本当に仏さまになりました)。

今からおよそ2400年前のことです。

北インドのネパールとの国境に近いクシナガラという町でです。

涅槃とは、インドの言葉の「ニルヴァ―ナ」の音訳で、元々の意味は「火が吹き消された状態」を差します。

人間の心の中にある煩悩の火が消えた状態が涅槃であります。

死を意味する言葉ではなかったのですが、お釈迦様の死に関しては、涅槃という言葉が用いられます。

繰り返しますが「煩悩を消滅し悟りを開かれたお釈迦様の死に限り涅槃」ということです。

病をおして伝道を続けられたお釈迦様は、ご自身の死期が近いことを悟り、沙羅双樹のもと北枕に横になり西を向き右脇を下にした姿で臥し、涅槃に入られました。

お釈迦様との別れを惜しむ52類(人間はもとより、鳥、虫、獣、諸天諸神など)の生類が参集して悲しみに包まれた情景が仏涅槃図としてあります。

しかしながら、お釈迦様が涅槃に入られた確実な日時は不明であり、南伝仏教ではヴァイシャーカ月の満月の日(ウェーサーカー祭)と定められているらしいのです。

ヴァイシャーカ月が、インドの暦では第2の月であることから、中国で2月15日と定められたとのこと。