院と寺の違い

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お寺の中には「院」とつくもの、「寺」とつくものがあります。

どちらも同じお寺ですが、どうして呼び名が違うのでしょうか。

例えば、寺がつくところだと奈良の法隆寺、京都の清水寺、東京では芝の増上寺、浅草の浅草寺、そしてここ池上の本門寺。

院がつくところでは、京都の知恩院、平等院、などが有名です。

寺院の名前は、詳しくは○○山○○院○○寺となり、山号・院号・寺号といいます。

例えば、浄土宗総本山の知恩院は「華頂山知恩院大谷寺」というのが正式な名称ですが、これでは長すぎる、ということでその一部を取り知恩院という通称名で呼ばれるようになりました。

「寺」と「院」は、この正式な名称のどの部分を通称名にするか?の違いというわけです。

浅草の浅草寺の正式な名称は「金龍山伝法院浅草寺」。

こちらは知恩院とは違い、○○寺の方を通称名にしたのです。

正式な名称の中の残りの○○山ですが、これは、お寺が建てられた昔は、たいていが山の中に建てられたので、その所在地を示すためにつけられたからです。

平地になってもその名残が残っておりそれが続いています。

お寺の正面の門の事を「山門」というのも、ここから来ています。

「寺」と「院」では、呼び名は違えどその中身や格式などには全く違いはない、というのが結論です。

最近では日本への外国からの観光客も年々増えてきていますので、外国から来られた方から寺と院の違いは?なんて聞かれる、そんな機会も多くなってまいりました。

しっかりと違いを把握して、説明できるようにしなくては、などと考える今日この頃です。