香典の由来と意味

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香典の意味は、昔は亡くなった方に対してお香やお供え物を持って行くという習慣があり、香典はそういった物の代わりとして渡すものとされていました。

現代では従来の意味で香典を渡す方は少なく、お香やお供え物の代わりとは別物として考えられています。

故人のご家族様への心づけ、また出費も多くなることから心づけの意味が強くなってきています。

香典返しをすることは、不祝儀を繰り返すことになるので本来は香典返しをしないのですが、もらってお返しをしないのは心苦しいのでせめて、と3分の1~半額返しが定着していきました。

何とも日本人らしい習慣ではないでしょうか。

香典返しによく用いられる品物の「お茶」ですが、お茶を飲みながら故人を思い出して下さい、ということで選ばれています。

タオルやシーツなどは、亡くなった人があの世に旅立つ際に白装束を身に着けることから、さらしが利用されていた名残です。

また、石鹸や砂糖は実用的だからということももちろんですが、石鹸は悲しいことを洗い流すといった意味がこめられています。

その他には、食べてなくなる「消え物」が良いともされています。

香典返しが郵送されてきた場合には、不祝儀を繰り返さないということでお礼状などを書く必要はなく、失礼にもあたりません。

香典は故人に送るもの、香典返しはそういった参列者の思いを故人に代わり返す行為です。

香典の形態は、時代と共に変わっていきますが、送る側も送られる側も故人を偲び、思いをはせることは少しも変わってないのかもしれません。