香典を考える
香典とは、香や線香の代わりに、貴重な品物や、金品を備えるという意味です。
仏式の表書きには、「御供物料」「御香料」と記します。
神道では「御玉串料」「御榊料」「御霊前」、キリスト教では「お花料」カトリックでは「御ミサ料」などと表書きします。
香典を供える様になったきっかけは、昔の葬儀では近所の人達に食料を振る舞う習慣があり、その多額の出費が遺族にとってはおおきな負担でした。
その負担を村単位で助け合おうと生まれたのが一般庶民の香典の始まりで、当初は食料を提供していました。
それが金銭へと変わっていた歴史は驚くほどに短く、明治に金銭の香典が始まりはしましたが、完全に浸透したのは戦後になってからのことです。
金銭の香典が一般的になったということは、日本人の働き方が近代化したという証拠でもあり、会社に勤めるようになったことで、農業などの地域密着形の生活スタイルが変化した、と言う事なのかもしれません。
昔は村が総出で行ってくれた葬儀も、今では家族単位で行わなければなりません。
それには多額のお金が必要となります。その為いつの間にか香典は金銭香典となったというわけです。
金銭香典となってからの悩みは香典の相場です。
香典で包む金額は2000円~100,000円と幅が広く、常に私たちを悩ませます。
しかしインターネットが普及してからは、香典の相場がある程度決まってきました。
インターネットの常識が生活の常識として浸透しつつあります。