香典を考える その2

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香典は死者にお香を供えることから始まったと言われていますが、現在の金銭を包む風習になる前は、食糧を包んでいたそうです。

これは、昔は食糧とお金が同じようなものであったので、当然と言えるかもしれません。

室町時代以降からは、金銭香典を包むことが武士の間で行われるようになりましたが、一般人は食糧香典が普通でした。

元々は香を備えることから発生している香典ですが、これは貴重品をお供えそるという意味にもとらえることができます。

つまり、お葬式で振舞わなければならないご馳走を用意しなければいけない遺族の負担を少しでも助けようと生まれた風習だとも言えるからです。

遺族の多額の負担を少しでも減らそうと考えた結果、皆で助けあうことで生まれた風習が一般人にとっての香典でした。

この風習は明治以降になると、食糧香典から金銭香典になりましたが、食糧香典の風習は農村を中心に戦後まで残りました。

現代ではもちろん金銭香典のことを香典とよびます。

香典の額については、亡くなった方との関係によって違いが生じます。

この関係の違いは家族や親せきの関係のほかに、仕事関係の場合や、生前にどのような付き合いをしたかによっても変わってきますし、物価の変動や時代の価値観によっても違ってきます。

一般的な香典の額の例は下記の通りです。

両親は5万円~、祖父母は2万円~5万円、兄弟姉妹は2万円~5万円、親戚は1万円~5万円、友人・知人・隣人は5千円~2万円、仕事関係者は5千円~2万円、顔見知り程度だと3千円~1万円位です。