香典を辞退する
最近多いのが「香典を辞退します」というお葬式で、これまた確実に増えてきているようです。
本来の香典の意味は、葬儀費用捻出のための「助け合い」という要素が大きいようです。
その昔は、葬儀を手伝ってもらうかわりに食事を振る舞いました。
食事を大勢の方達に振る舞うのはとても大変な出費でした。
ですから貧しい人は葬儀を出せないおそれがありました。
そこで農村部では香典に米などの食料を持ち寄り助け合いました。
香典の始まりは助け合いの心から・・・。
そう考えると・・・「香典辞退」という事態は〝縁を切ります〟という意味を持ってしまうこともあり、某地方では現在でも、ほぼ〝御法度〟に近いものとされています。
それではなぜ、葬儀は行うのに「香典を辞退」するようになってきたのでしょうか。
まず大きな理由として、社会全体が豊になったので、助け合いとしての香典に意味がなくなってきたことがあげられます。
もう一つの大きな理由の一つとしては、ご遺族によるお返しが大変だということです。
遺族にとって葬儀後は、それこそたくさんの手続きがありすし、気持ちも整理がついていない場合も多々あります。
そんな中で住所録を作成しなければならなかったり、品物を選ばなければならなかったりと、大きな負担になっているのが「香典返し」なのです。
面倒を避けるために行われはじめた香典辞退の習慣ですが、まだまだ賛否両論あるのも事実です。
葬儀のあり方が年々変化していくように、香典のあり方も変化していきます。
ある種自由が与えられたのが現代のお葬式。
全ては自分次第なだけに、何が起きても自分の責任となってしまいます。
ですから、命ある今のうちに葬儀について考えておきたいものです。