ご愁傷様の意味
葬儀の場で参列者が遺族にかける言葉の代表的な言葉です。
愁(しゅう)には、愁(うれ)えるという読みかたがあります。
うれえるとは、悲しく思いますという意味です。
これを傷という文字と合わせ愁傷とすると、心のキズを悲しみますという意味になります。
家族や大切な人を亡くした方の心の傷をうれえるということは、気の毒に思っていますという意味となります。
葬儀などで使う愁傷という意味には、とても気の毒に思います、という気持ちが込められているのです。
葬儀のときに心の底から、悲しんでいる遺族にかける言葉は難しいですよね。
どんな言葉を尽くしても、家族を亡くした方の心を癒すことなんてできないのかもしれません。
そのことを日本人はとてもよくわかってるのかもしれません。
どんな個性的な一言よりも、ご愁傷様ですという“相手にそっと寄り添う”気持ちを表現した言葉が生まれたのですから・・・
悲しみを分かち合うことはできません。
悲しみを分かち合うという精神はもともと日本人にはありませんでした。
それは、悲しみは分かちあうことができない本人だけの心の苦しみの一つだからです。
悲しんでいる人にしか、その悲しみは存在しないのです。
ですから、悲しみを背負っている人に対して、その悲しみによって受けてしまった心の傷を、気のどくに思いますという表現が生まれたのだと思います。
いかにも人の心に対して敏感な日本人らしい慰めの言葉です。
ご愁傷様です。
この言葉を臆せず使用したいものです。
また、こんな表現が通じる日本でありつづけてほしいものです。