お布施(おふせ) その2
仏教での葬儀の際には、故人の供養を願うお経をお寺や僧侶に唱えていただき、お布施をお渡しします。
そのためでしょうか、僧侶が供養をしてくれたお礼としての「対価」で、お布施を渡していると勘違いされている方も多いかと思います。
しかし、本来の意味は違います。
仏教には「六波羅蜜」という修行の方法があります。
また、京都の「六はらさん」として親しまれる平家所縁の六波羅蜜寺をご存知の方も多いかとは思います。
六波羅蜜とは、人に施しを与えること(布施)、戒律を守る(持戒)、常に精進すること(精進)、忍え偲ぶこと(忍辱)、自己を省みて平常心でいること(禅定)、知識を持ち公平な目で物事を判断すること(智慧)の6つを指し、「お布施をする」ということは、その修行のひとつと解かれているのです。
お布施は僧侶にお礼として支払うものではなく、「檀家として菩提寺のご本尊に捧げる」ということなのです。
もちろん、実際にはそのお布施の使い道には僧侶やその家族の生活に使われることもありますが、そのように使われることでご本尊を維持する活動を助けることに繋がります。
お布施の金額がよく分からないときに僧侶に「おいくらですか??」と尋ねても、「お気持ちで」との返事が返ってきてしまうのは僧侶自身がもらう、ということではないからです。
お布施の相場は地域によって違いはありますが、だいたい20万~50万程度のようです。
葬儀会社にお寺を紹介してもらう場合などは、葬儀会社の担当の方にでも相場を尋ねるのも良いですし、菩提寺の僧侶にお願いする場合には、他の方はどのくらい包まれているのかといった尋ねかたをするとスマートです。
葬儀に関わらず冠婚葬祭には様々なマナーやしきたりがあります。
出来得る事なら、その意味を理解して行うようにしたいものですね。