盂蘭盆施餓鬼会法要がはじまります
7月7日午後2時より、池上本門寺本殿において、盂蘭盆施餓鬼会法要が営まれます。
参列する檀信徒の方々と共に読誦唱題を捧げます。
これは、各家先祖代々の霊、新盆の霊(お盆までに、四九日が過ぎた故人が盆棚に乗れると言われています)、戦争災害・交通事故等殉難の霊、法界万霊に供養の心を捧げるものです。
さて、お盆(盂蘭盆施餓鬼会)が行われるようになったのにはこういうお話があります。
お釈迦様の十大弟子の一人で神通一と称された目連尊者が、神通力で亡くなった母の所在を探したことから始まります。
なんと母は、餓鬼道に落ちていて、肉は瘦せ衰え骨ばかりでまるで地獄のような苦しみの中にいました。
目連は持ち前の神通力で母の供養をしますが、食べ物のみならず水さえも燃えてしまい飲食させることができないのです。
そこで、なんとか母親を救う手立てはないかと、お釈迦様に相談したのです。
お釈迦様がおっしゃるには「母親の罪は重い。それは生きてるときに人に施さず、自分勝手だったので餓鬼道に落ちた」とのこと。
そして、多くの僧が九十日間の雨季の修行(雨安居)を終える七月十五日に、ご馳走を用意して経を読誦し、心から供養するとよい」と続けられました。
目連が早速その通りにすると、母は餓鬼の苦しみから救われたのです。
これを盂蘭盆会の起源とする説を持って、盂蘭盆施餓鬼会法要が行われるようになりました。
池上本門寺でも、毎年盛大に行われています。
特に、戦争災害者等に向けては、関東大震災や東京空襲など一瞬の間に多くの命が理不尽な中で失われたこと、また、家族全員が故人になりお墓もなく参るものもいない御霊を、仏さまの心で包み込んでいると言えます。
法要の後は、新鮮なお花や香り高いお線香、つまり仏さまの食べ物である香りに満ちたものを手にして、お墓に行きます。
墓前で手を合わせ、感謝の誠を捧げます。
特に、新盆にあたる故人にとっては、お釈迦様をはじめ多くの仏さまに使える初めてのことなので、残された現世にいる者たちはなお念入りにご供養をします。