仏壇を購入するタイミング その3
さて、仏壇を購入するタイミングはいつなのでしょうか。
大抵の人が家族が亡くなったり、お墓を立てた後に購入しようと思っているのではないでしょうか。
たくさんの人がそう思うのは、仏壇というものが、位牌を安置して先祖を供養する場所であると考えられているからです。
しかし、仏壇の本来の役割は、本尊をおまつりして仏様に祈りを捧げる場所です。
つまり、ご先祖様や位牌を安置するのは二次的な役割だったと考えられます。
本来は仏教徒の祈りの場であった仏壇ですが、それは仏教の伝来と共に人々に広まりました。
そして、日本古来の先祖をうやまう土着な信仰を取り入れつつ全国に広まり、江戸時代に檀家制度ができてからは、ほぼ日本人全員が仏教徒となりました。
民間にまで浸透した仏壇ですが、先祖崇拝を取り入れた日本人独特の仏教感覚の元で、仏壇は本来の本尊をおまつりする場所と同時に先祖の位牌をおまつりする重要な場所として大切にされるようになりました。
近代になってからは、宗教感覚が希薄になってきたこともあり、仏様をおまつりすることよりも先祖供養が大切だという考え方になってきました。
以上の理由で「仏壇が先祖の位牌を安置する場所」として認識されるようになったようです。
話は元に戻りますが、仏壇を買うタイミングは家族が亡くなってから、という考え方は近代に生まれたという事が言えるのではないでしょうか。
しかし、仏壇は本来は本尊をおまつりする場所なので、仏壇を購入するのはいつでも良いのです。
現代でも仏壇に本尊をおまつりしない人はいません。
今でも真宗は仏壇に位牌をおきません。
ですので、いずれ購入されるのならばお気に入りの一品を生前から予め購入しておき、日頃から心落ち着ける場所として活用してほしいものです。