奥さんのいる男性と一緒のお墓に入れる?
奥さんがいる男性と長年同居している女性のお話です。
いわゆる内縁的重婚関係というもので、男性には戸籍上の妻が別にいます。
男性が奥さんと別居した後におつきあいが始まったので、女性は奥さんの顔も知りません
そして同居がはじまり、すでに25年になります。
そろそろ二人共、死について考えるようになり、お互いに何かあった時にも最後をどちらかが看とり、同じお墓に入りたいと考えるようになりました。
しかし本妻がいるので、死後は夫は本妻と同じお墓に入り自分は一人になってしまうのではないかと心配しています。
実はこの場合、書類上の本妻というだけの奥さんなのですが、内縁関係の場合、夫が遺言してくれなければ、何十年一緒に暮らしていても法律的には財産相続などの権利もなければ、同じお墓に入ることもできないのが現実です。
では、絶対に同じお墓には入れないものなのでしょうか。
それには方法が無いわけではありませんが、一番重要なのは夫に同じお墓に入りたいことを生前から夫に告げ、同意してもらうことです。
夫がこの女性と同じ気持ちを抱いていてくれた場合には案外簡単に事は運びます。
生前から夫婦墓などを建てておくのもよいでしょう。
その場合お墓の名義人は、どちらでもかまいませんが、もし夫にする場合は、そのお墓の継承者として、この女性を遺言で指名しておく必要があります。
子供が居る場合は子供にしておくこともできます。
実際に夫が先に亡くなった場合、その遺骨の正統な所有権は本妻やその子供となる可能性が高いので、それを望まない場合は、この女性が祭祀の主宰者=夫の葬儀の喪主になるという内容の遺言を残してもらう必要があります。
そうしなければ、葬儀の喪主になることも、同じお墓に入ることもできない関係であることを理解して、生前からの準備をしておく必要があります。