シャクヤクは薬?
シャクヤクは・牡丹(ぼたん)科の花で、学名 をPaeonia lactiflora Paeonia:ボタン属 と言います。
lactifloraの意味はミルクの花を持つというもので、Paeoniaは、パエオニア、ペオニアとも読み、ギリシャ神話の”医の神ペオン(Paeon)の名前に由来します。
ペオン(Paeon)は黄泉の国王であるプルートーの傷を治しましたが、それにはオリンポスの山からとってきたシャクヤクの根が使われたそうです。
シャクヤクは死者をよみがえらせるほどの強力な薬として珍重されましたが、漢方の世界でも重要な植物として扱われているそうです。
日本では「シャクヤク(芍薬)」は中国から薬として渡来し、中国名の「芍薬」をそのまま音読みにしてシャクヤクと呼ばれるようになりました。
日本では野生種はなく、室町時代ごろに朝鮮を経由して渡来しました。
名前に薬がつくことからも分かる様に、中国では薬草として栽培されてきました。現在も鎮痛薬や化膿性腫物として使用されています。
シャクヤクは江戸時代には茶花として鑑賞されるようになり、品種改良が繰り返されている古典園芸植物です。
園芸品種がとても多く、現在3,000品種以上もあると言われています。
「立てばシャクヤク(芍薬)、座れば(ボタン)牡丹、歩く姿は(ユリ)百合の花」という言葉があるように、シャクヤクは美人の代名詞としても使われます。初夏に豪奢で美しい花をさかせます。