大待宵草(オオマツヨイグサ)

オオマツヨイグサ(大待宵草)は読んでじのごとく、宵をまってから咲く花なので待宵草と名付けられました。

江戸時代の末期に輸入されたこの植物は、北アメリカ原産の植物でヨーロッパで品種改良された園芸植物です。

花は直径で8㎝にもなります。かつては、河原や海岸などでたくさん見かけることができましたが、最近ではあまり姿をみることはできなくなってしまいました。

このオオマツヨイグサ(大待宵草)はアカバナ科マツヨイグサ属の越年草で、ヨーロッパでグランディフローラ種とエラタ種をかけ合わせてつくられたと言われています。

草丈は50㎝から150㎝になり、茎は直立していて、毛がたくさん生えています。

葉の先は尖っていて、フチにはぎざぎざがあります。

開花時期は7月から9月頃で、宵を待って咲き、朝にはしぼんでしまいます。

この花は太宰治の『富嶽百景』の中で月見草と記されていて『富士には月見草がよく似合う』という登場の仕方をしています。

しかしこれは月見草ではなくてオオマツヨイグサ(大待宵草)だったと言われています。

また太宰治という希有な文人にも愛されたオオマツヨイグサ(大待宵草)は、竹久夢二という芸術家の寵愛も受けました。

『待てど暮らせど来ぬ人をー』という有名な歌詞で知られる歌の題名にもなっています。

しかし『待宵草』となるべき所を竹久夢二が書き間違えて『宵待草』という題になってしまったと言われています。

色々勘違いされてばかりの大待宵草ですが、見た目も、ネーミングも、芸術家や文人の発想をどこかした刺激する花の様です。