納棺
納棺とは、亡くなった方を棺に納めることを指します。
現在では葬儀社が納棺に関するいっさいを引き受けてくれますが、以前は通夜の前に家族、親族が集まり皆で亡くなった方を身支度させました。
現在でこそ、死装束は、故人の生前に好きだった衣装などを着せますが、以前はあの世に旅立つ旅支度として、経帷子(きょうかたびら)に手甲(てっこう)、脚袢(きゃはん)、白足袋(しろたび)と草鞋(わらじ)を左右逆にはかせ、六文銭を頭蛇袋(ずだぶくろ)に入れました。
これは昔の人の普段の旅支度であり、交通手段の無かったころの徒歩の旅支度だったようです。
現代でいうところの、トレッキングスタイルみたいなものでしょうか。
ですので現在はこの死装束にこだわらなくなってきました。
現代に亡くなった方なのだから、わざわざ昔の服装をさせるのも変なのでは?という素朴な疑問が生じたからでしょうか。
あの世があったとしても、きっと今風の服装をしているんじゃないか?
と言った方がおられて、それもそうかもと納得したことがあります。
閻魔様は法衣をまっとっていたりするかもしれませんしね。
さて話は納棺に戻りますが、現在では葬儀社が行ってくれるとは言え、葬儀社に任せっきりにせずに、なるべく自分たちの手で行ってもらいたいものです。
故人にしてあげる最後のあの世への身支度を心をこめてしましょう。
そして棺に故人の好きだったものや、愛用していた品物をいれて差し上げましょう。